日本で一度も試奏されてなかった『AMERICAN ULTRA STRATOCASTER SSS』を手に入れた話

30歳になったのでストラトが欲しくなった

 正直、ストラトが欲しくなるのに年齢はぜんぜん関係ないが。

 当時は普通に働いてたし、趣味はギターの他に、ゲーム、プログラミング、格闘技と、お金のかかるものはやっていなかったので、お金に余裕があった。

 今まで使っていたエレキギターは、5~6万円台のコピーモデルだったり廉価版だったので、ここいらで「本物」を手に入れてみたかった。

今は手放したエピフォンのセミアコとエドワーズのレスポールタイプ

 また、シングルコイルのピックアップを使ったことがなかったので、『Fender』のギターから気に入りそうなものを探した。

 いろいろ探して、『ジャズマスター』と『ストラトキャスター』で迷ったが、ピックアップが3つ付いているのでなんかお得感があったのと、操作が簡単そうだったので、『ストラトキャスター』を手に入れることにした。

 ビンテージには全く興味がなく、むしろ最新機種こそメーカーのこれまでの企業努力がぎっしり詰まっている、と考えているので、最新機種を探した。

 当時の最新機種の『ストラトキャスター』は、『AMERICAN ULTRA STRATOCASTER』だということがわかったので、これを手に入れることにした。

欲しかった色は『Plasma Red Burst』の色のストラト・ウルトラ

 『AMERICAN ULTRA STRATOCASTER』のカタログをみると、ダントツで『Plasma Red Burst』の色がカッコよかった。

 しかし、『デジマート』や『サウンドハウス』を眺めるも、この色だけは売ってなかった。

 とはいえ、「最新機種だし、あの『Fender』の商品だし、どこの楽器屋も『AMERICAN ULTRA STRATOCASTER』を置いているに違いない。ならば店頭を巡ればきっと手に入るはず。」と思い、楽器屋を巡ることにした。

American Ultra Stratocaster(Maple Fingerboard/Plasma Red Burst)

 指板も画像の通りにメイプルにするつもりだった。

 今見ても本当いい色ですわ。

お茶の水、渋谷、池袋の楽器屋を探すも目当ての色のストラト・ウルトラは見つからなかった

 当時は都心も都心の東京都中央区に住んでいたので、都内の楽器屋には大体アクセスすることができた。

 とりあえず、新品の楽器を多数揃えているお店に出向くことにした。

 しかし、「お茶の水」、「渋谷」、「池袋」の楽器屋を巡るも、『Plasma Red Burst』のストラト・ウルトラだけが売ってなかった。

 むしろ、目当ての『Plasma Red Burst』以外の色のストラト・ウルトラ以外は全てあった。

 やっぱりみんな『Plasma Red Burst』のかっこよさには気づいていたか。。残念。

 しかも2023年5月28日時点では、fenderの公式サイトでも買えないときたもんだ。

今は無き新宿の『ロックイン(山野楽器)』でアメリカから届いたばかりのストラト・ウルトラを発見した

 その後もネットや実店舗でメイプル指板の『Plasma Red Burst』が見つからなかったので、これを手に入れるのは諦めた。

 探してる間はギターを弾けないので辛いし、探し回る時間とお金ももったいなく感じてきたからだ。

 まだ行っていない新宿の『ロックイン(山野楽器)』で『Plasma Red Burst』がなかったら、そこにあるストラト・ウルトラを買って帰ろう、という気分でお店に出かけた。

 新宿の『ロックイン(山野楽器)』でも、当然のように『Plasma Red Burst』は置いていなかった。それに、「渋谷」と「池袋」の楽器屋よりもストラト・ウルトラの在庫は少なかった。たしか4本くらいしかなかったと思う。

 一応店員さんに、『Plasma Red Burst』は無いか?隠して無いか?と聞いたが、「ない」と言われ、かつ、「その色はfenderから入荷できるかわからないし、入荷するにしても次の入荷は半年後になる見込み」と言われた。

 「やっぱもう少し他のとこで探すか」

 そう思って帰ろうと思ったら、店員さんが「今日アメリカから届いたSSSの『Cobra Blue』がある」と言われた。

https://www.fender.com/ja-JP/electric-guitars/stratocaster/american-ultra-stratocaster/0118012795.html

 「『Cobra Blue』は他の店でもあったし、別に興味ないなぁ」と思ったが、同時に「今日届いたってことは、まだ日本では誰にも触れてないってことか」と思った。

 こういうことはなかなかあるもんじゃないので、とりあえず試奏させてもらうことにした。

その場で開封してもらい試奏して購入した

黒田硫黄『セクシーボイス アンド ロボ』より

 正直、店頭に出してあったストラト・ウルトラとあまり違いはわからなかったが、「これを弾いた日本人は自分だけ」という謎の特別感が、この楽器を愛おしく感じさせた。

 一応、「これを弾いた日本人は自分だけ」かどうか、店員さんに確認した。

 「今さっき開けたので、日本でこれを弾いたのはあなたがはじめてですね」と言ってくれた。

 それを聞いた後、即購入した。

正直ストラト・ウルトラのSSSよりHSSの方がお得感がある

 SSSはストラト・ウルトラの機能である『S-1スイッチ』を押すと、フロントのピックアップが常時オンになる。なので、通常のストラトではできないピックアップの組み合わせができる。

 一方、HSSは『S-1スイッチ』を押すと、リアのハムバッカーのピックアップがシングルコイルのピックアップのような音を出すようになってくれる。つまり、HSSのストラトでもSSSのストラトの音が出せるのである。

 正直、SSSのフロント+リアの音も、3つのピックアップを全てアクティブにした音も、不思議な音ではあるがあんまり魅力的ではない。

 HSSなら『S-1スイッチ』で太いハムバッカー音も、カラッとしたシングルコイルの音も出せるので、なんだかすごいお得感がある。

でも「そんなの関係ねぇ」

 スペックのお得感も、レアな色じゃなかったことも、こいつへの愛情には関係しない。

 なんだか「処女厨」のような理解され難い感覚かもしれないが、「自分だけしか弾いてないギター」という特別感が堪らなくいいのである。

 まぁでもその後、ストラト・ウルトラの自慢がてら友達に軽く弾いてもらったので、もはや「このギターを弾いたのは自分だけ」ということは無くなったが、それでも愛おしいのである。

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