AC/DC『Money Talks』和訳(意訳)

AC/DC『Money Talks』

歌詞と和訳(意訳)

前提と世界観

 この翻訳(意訳)は「お金」が人間に、消費や富の拡大を促している場面を想定している。

 「お金」は悪魔のようなイメージで、人間は「お金」という悪魔の誘惑に、ただただ従い、そして、どんどん依存していく。

 人間はお金を使って気持ちよくなり、さらに時には騙したり盗んだりしながら、お金を増やす術を磨いていく。

 人間がお金の言いなりになる世界では、例えば友情だの、誠実さだの、親切心だのは「たわごと」に過ぎない。

 しかし、人間が「お金の奴隷」から脱却するにはむしろ「たわごと」の方が必要だが、お金の言うことを聞き続けていると最後は「Yeah, yeah-yeah」しか言えない「思考停止の理想的な奴隷」が出来上がる。一方で、「お金の正体に気づいた人」もいる。(Oh, hear it talkの結果が奴隷と人間の分かれ目)

和訳(意訳)

Yeah
仕立てのいいスーツに、運転手付きの車、
Tailored suits, chauffeured cars
高級ホテルに、大きな葉巻、
Fine hotels and big cigars
何でも手に入るぜ、金さえあればな。
Up for grabs, up for a price
夜通し踊ってるエロくてイケてる女の子たち。
Where the red hot girls keep on dancing through the night
何を買うか、決めるのはおまえだ。でもやつらが見てるのは俺(お金)だけ。
The claim is on you, the sights are on me
さぁ何を買えば満足できる?
So what do you do that’s guaranteed?
よう、そこのお前。全部欲しいんだろ?
Hey little girl, you want it all
そこの毛皮に、あのダイヤモンド、あっちの壁の絵も、全部!
The furs, the diamonds, the painting on the wall

さぁさぁ、俺らを愛せ!
Come on, come on, lovin’ for the money
もっともっと、俺らの言うことを聞け!
Come on, come on, listen to the money talk
さぁさぁ、もっと俺らを愛せ!
Come on, come on, lovin’ for the money
もっともっと、俺らの言いなりになれ!
Come on, come on, listen to the money talk

フランス人メイド、外国人シェフ、
A French maid, foreign chef
キングサイズのベッドがあるでかい家。
A big house with king-size bed
マックスまで稼いだら、売り払えよ。
You’ve had enough, you ship them out
ドルは今、不安定だから、ポンドを買っておけよ。
The dollar’s up, down, you’d better buy the pound
何を買うか、決めるのはおまえだ。でもやつらはオレ(お金)に夢中だ。
The claim is on you, the sights are on me
さぁどうすれば満足できる?
So what do you do that’s guaranteed?
よう、そこのお前、ルールを破ったな?
Hey little girl, you break the laws
インチキぶっこいて全部盗むんだろ!?
You hustle, you deal, you steal from us all

さぁさぁ、俺らを愛せ!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, lovin’ for the money (moneytalks)
もっともっと、俺らの言うことを聞け!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, listen to the money talk (moneytalks)
さぁさぁ、もっと俺らを愛せ!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, lovin’ for the money (moneytalks)
もっともっと、俺らの言いなりになれ!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, listen to the money talk

金がモノをいうんだ。
Money talks
Yeah-yow

金がモノをいうんだ。
Money talks
たわごとは通用しないんだ。
BS walks
金がモノをいうんだ!
Money talks

ちゃんとついてこいよ!?
Come on, come on
さぁさぁ、俺らを愛せ!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, lovin’ for the money (moneytalks)
もっともっと、俺らの言うことを聞け!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, listen to the money talk (moneytalks)
さぁさぁ、もっと俺らを愛せ!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, lovin’ for the money (moneytalks)
もっともっと、俺らの言いなりになれ!(金がモノをいうんだ!)
Come on, come on, listen to the money talk (moneytalks)
金がモノをいうんだ!
Moneytalks

(さぁさぁ、俺らを愛せ!) 金がモノをいうんだ!
(Come on, come on, lovin’ for the money) Money talks
(もっともっと、俺らの言うことを聞け!) いつでもどこでも金がモノをいうんだ。
(Come on, come on, listen to the money talk) Money talks, talk, talk
(さぁさぁ、俺らを愛せ!) 聞こえたぞ。
(Come on, come on, lovin’ for the money) Oh, hear it talk
(もっともっと、俺らの言うことを聞け!)
(Come on, come on, listen to the money talk) Yeah, yeah-yeah
金がモノをいうんだ!
Money talk

翻訳メモ

Money talks, BS walks

 「BS walks」というフレーズは、一般的に使われる表現「Money talks, BS walks」から来ています。この表現は、「お金が物を言う場面では、無価値な話(Bullshit)は通用しない」という意味を持ちます。つまり、現実的な影響力や価値を持つのはお金であり、それ以外の大言壮語や根拠のない主張は退けられる、ということを表しています。

 「Money talks, BS walks」をAC/DCの『Money Talks』の文脈に当てはめると、このフレーズはお金がどれだけ強力な影響力を持っているかを強調しています。お金があれば多くのことが可能となり(「Money talks」)、それに対して実質的な価値や力を持たない空虚な言葉や行動は何の影響も持たずに排除される(「BS walks」)。

You’ve had enough, you ship them out

 十分に利用したら、それを手放す」という意味で、ビジネスや投資における一般的な戦略を指します。何かを最大限利用し、それ以上の価値が見込めないと判断したら売り払う、あるいは市場から撤退する、という冷徹な判断を下す様子を描いています。

red hot girls

 「Where the red hot girls keep on dancing through the night」というフレーズにおける「red hot girls」は、確かに「エロくてイケてる女の子たち」という意味で使われている可能性が高いです。ここでの「red hot」は通常、「非常にセクシーで、魅力的」という意味で使われることが多く、その場のエネルギーと魅力を際立たせる表現です。

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