スタンダール『赤と黒』:初見感想メモ

まんがで読破『赤と黒』

 読んだ本は以下の通り。

赤と黒
赤...

「生きた、書いた、恋した」

 素敵やん。。

スタンダール(Stendhal、1783年1月23日  1842年3月23日)は、グルノーブル出身のフランス小説家評論家。本名はマリ=アンリ・ベール(Marie Henri Beyle)という。ペンネームのスタンダールはドイツの小都市シュテンダルに由来すると言われている。

近代小説の開祖の一人とみなされている大作家。理工科志望を放棄して、軍人となった。ナポレオン失脚後はミラノに移住して作品を書いた。しかし政治風刺と恋愛心理を分析する新傾向の小説は、生前は売れなかった。その墓には自ら選んだ銘句「生きた、書いた、恋した」が刻まれている。作品に、主人公ジュリアン・ソレルで有名な『赤と黒』のほか、『パルムの僧院』、評論『恋愛論』がある。

スタンダール - Wikipedia

赤は軍服、黒は僧服の意

まんがで読破『赤と黒』より

 権力を得るには、以前は軍人、今は僧侶でないとダメだったらしい。

 しかし、それだけの意味ならタイトルにする必要もなさげだが。。

騙し合い、奪い合いで出世を目論む平民『ジュリアン』

まんがで読破『赤と黒』より

 愛情のない家庭で冷たくされて、かつ、ナポレオンの出世物語に影響されるとそういうことになるらしい。

 とはいえ、これは現代でも同じな気がする。

 家庭に安心感が得られないと、居場所を別のところ見つけないといけない。

 しかし、家庭の外では「存在そのものに価値がある」なんてことを言ってくれる他者は基本的にはいない。何かか他人に価値を提供しなければ認めらないのが「家庭の外の世界」だと思う。

まんがで読破『赤と黒』より

 そうなれば、何とかして生き延びるために人は「成功」を目指す。

 その時に参考にされるのは「成功者」であるのは現代も同じ。別に再現性なんてなくても、何かを学ぼうと、「成功者」のすべてに傾倒する。

 「成功者」の書くビジネス書やセミナーなどのあらゆる発信が、その内容が如何にしょうもなくても、熱狂的に受け入れられる構造がなんとなく分かった気がした。

 そういうのに騙されないためには「精神的な安定」が必要なのである。

貴族はナメられたら終わり

まんがで読破『赤と黒』より

 日本の武士も名誉を傷つけられたら、それは人を斬っていい理由になるように、この時代の貴族もまた名誉のために命をかけて決闘をするらしい。

 まぁ確かに、貴族は領民を使う立場なので、その支配の正当性をアピールしないと領地を十分に治めることができなくなるかもしれない。そう考えれば、名誉を守るために決闘するのは自然だと思える。

貴族は退屈している

まんがで読破『赤と黒』より

 名誉のためにいつでも命がけな貴族も、平時は退屈しているらしい。

 野心的に動かずとも生活に必要なリソースは足りているし、むしろ、行動して失敗したほうが自分の人生にリスクが出てくる貴族は大人しく、静かに生活しているのが賢明なんだろうと思った。

 しかし、エネルギーの総量は人それぞれ違うし、若い人ほどそれは多い。

 そして、退屈な生活を強制されてエネルギーを発散する場所を失うと、人はよくわからないプロジェクトを作って実行してしまうのも現代と同じな気がしている。

まんがで読破『赤と黒』より

 退屈過ぎて、話に聞いた恋愛ストーリーを自分の人生で再現したくなるほどに退屈するらしい。

 そして、現代日本でもこういうことは「20代くらいまでの人」がやってそうではある。。

エネルギーがある人は怖い

まんがで読破『赤と黒』より

 エネルギーがなく、静かに暮らしている人にとって、エネルギーがあって野心的な人は恐ろしい。

 その行動を止めるだけのエネルギーがないし、もし自分を害するためにその強力なエネルギーが使われるかもしれない恐ろしさがある。

まんがで読破『赤と黒』より

 そんでもって、そういう「行動するためのエネルギーの源泉」になりえるのが「嫉妬」である。

 これもわかる。

 「コンプレックスをバネにする」とか、「ハングリー精神」なんてことは、「人より足りないことに嫉妬する感情」でできている。

「愛」とはなにか

まんがで読破『赤と黒』より

 嫉妬のエネルギーで奪って騙して出世して、手に入れた生活に退屈し、別の誰かの嫉妬によってその生活が壊され、死刑囚にまでなってしまう主人公『ジュリアン』は、「愛」を体感することなく死んでしまった。

 「愛っぽいモノ」としてよくあるのが、「人を愛している自分を愛している」ということ。

 今敏監督の『千年女優』のラストシーンでも同じようなセリフが語られるが、こういうのも昔からあって、そして「それは愛ではない」と分析されている模様。

ロケットに乗った千代子は「だってあたし、あの人を追いかけているあたしが好きなんだもの」とつぶやき宇宙の果てへと進む。

千年女優 - Wikipedia

 『千年女優』を観たときは、「あー!そういうのもあるのか!」みたいな驚きがあったが、ずいぶん昔から確認されてた概念だったのね。

感想まとめ:スタンダールの墓に書いてあるワードが素敵

 簡潔にまとめられるのはやりきった証のような気がする。すばらしい。。

 

コメント