プレイ状況と評価
2026年10月2日にSteamの9割引きセールで購入し、難易度ハードでプレイ。
執筆時点で本編をクリア済み。

作品評価はC。積極的にはおすすめしない。

筆者は1990年生まれで、アニメ『デジモンアドベンチャー』をリアルタイムで見ていた世代で、デジモンのコンテンツというだけで割と肯定的な人間だと思う。
しかし、最後まで遊んでも世間で言われているような「良作だった」とは思えなかった。
特に、マップ設計、移動、クエスト、戦闘、育成と、ゲームの面白さを支えるはずの部分に不満が多すぎる。
『ペルソナ』や『ドラゴンクエストモンスターズ』などを遊んできた筆者には、見覚えのある仕組みを、より遊びにくくしたゲームに感じられた。
デジモンが絡んでいるとはいえ、ストーリーが「よくある頭でっかちなライトノベル」程度なのは、それはそれとして置いておける。
問題は、その物語を進めるために自分で操作する時間が、ことごとく面倒くさいことだ。
以下、移動、クエスト、戦闘、育成、ストーリー、実績の順に、クリアまでに感じた不満をまとめる。
移動:プレイ時間の多くを「何もないマップの往復」に使う
このゲームの大半はマップの移動であるが、その移動に不満が多い。
なので、遊んでいる時間のかなりの部分で、不満を感じ続けることになる。
スカスカでムダに広く、見渡しにくいマップ
マップはどこへ行っても、広さに対して中身がスカスカだ。(上記はある階層の画面で、この階層には5画面も存在する。
そんなスカスカなマップに、人やショップ、拠点が点在しているので、プレイヤーは何もない空間をひたすら徒歩で移動する。
また、ダンジョンも無意味に広い。入り組んでるとかじゃなくて、単純に通路が長いのである。
さらに、ダンジョン全体の経路を確認できるマップがなく、ミニマップに見えるのも、画面に映っている範囲より少し広い程度なので、分岐の先や目的地との位置関係を把握しにくく、道に迷いやすい。
カメラも主人公に寄りすぎている。
なのでクエスト関連のアイコンがあっても、その近くまで行かなければ見えないため、指定された場所まで来たのに、誰に話しかければよいのか分からないことが何度もあった。
ちなみに筆者が探していたのは上記の「!」アイコンの場所。こんな近い距離なのにキャラを動かさないと見えないのは設計が不親切すぎる。
ゲーム中には、「新宿にいる」、「クーロンで集合」などと言われるが、エリアが無駄に分割されているので、そういう雑な指示だと、どこなのか分からない。
そこに見通しの悪い画面が重なって、結局、それらしい場所を順番に走って確認することになる。
たしかにゲーム内ではプレイヤーは探偵ものではあるが、ここでやっているのは推理ではなく、目印が画面に入るまで歩き回る作業なのである。
用事が終わった後の移動がだるい
クエストが終わっても、その場で解散し、自力で拠点まで戻らされることが多い。「拠点で再集合しよう」という流れなら、そのまま場面を切り替えてくれればいいのに、帰り道まで操作させられることがあるのでイライラする。(ワープさせてくれる場合もあるが、基準がよくわからない。。
たしかに移動を省略するアイテムはあるが、それを用意するもの、使用するのも面倒くさいのである。
電脳世界からのログアウトも、アイテムを使わない場合はエリア選択まで戻る必要があり、その場から一発では出られない。
また、ショップも現実世界と電脳世界の各マップに分散しているうえ、品ぞろえが全然違うので、目当てのものを買うためだけに、また移動が発生する。
こうした移動は、ただ面倒くさいだけで、新しい発見や判断が生まれるわけではない。
人に話しかけるだけのおつかいが多い
クエストには、あちこちのマップへ出向き、MMORPGのおつかいのように、とにかく歩き回らされて、ただNPCに話しかけてくるだけのクエストが多い。
これが本当に面白くない。
目的地で会話を聞くために移動し、聞き終わったら別の場所へ移動する。
そこには、移動経路を考える面白さも、操作の工夫もほとんどなく、スカスカのマップを歩かせることが、そのままプレイ時間になっている。
探索用のスキルのためにパーティー構築が縛られる
ダンジョンのギミックを操作するためだけに、特定のデジモンをパーティーへ入れておく必要があるのも面倒だった。
例えば、テキストを読む「コードスキャン」にはデータ種が必要になるが、現地に着いてから手持ちでは対応できないと分かると、編成を変えて、同じ場所まで出直すことになる。
これによって、もともと不満だった往復がさらに増える。
探索のための条件付けとして、センスがないと思った。
クエスト:数よりも、受注・確認・報告の手間が目立つ
「現在の目的」をメニューで確認できない
このゲームには、進行中のクエストを確認する画面がない。
なので、サブクエストは拠点の掲示板、メインの進行は拠点やデジラボで確認することになる。
何をすればよいかを確認するためだけに、そこまで移動するのがマジで面倒くさい。
目的を確認したいだけなのだから、メニュー画面に表示してくれれば済む話ではないか、と思う。
行き先を分かりにくくしておきながら、その確認にも移動を要求する。
こうした仕様が重なって、面倒さが増している。
サブクエストは一件ずつしか受けられず、まとめて片付けられない
このゲームはなぜか、サブクエストは同時に一件しか受注できない。
同じエリアが条件になっているクエストでも、一件ずつ受注し、現地へ行き、クリアし、拠点へ戻って報告する。その後で、次の依頼を受け直す必要がある。
まとめて済ませれば一往復で終わりそうな用事を、わざわざ何往復にも分けており、プレイヤー側で手順を工夫しようとしても、システムがそれを許さない。
また、掲示板にはクリア済みの依頼書も残ったままなので、新着の依頼も目視で見つけづらい。
落とし物探しは、同じ苦行の繰り返し
このゲームのサブクエストには「落とし物」の依頼は数が多いが、内容はどれも同じで退屈すぎる。
このゲームは上述の通り、ただでさえマップとカメラの設計が悪く、探し物に向かない。
その環境で同じような捜索を繰り返させられるので、イライラするだけの苦行になっていた。
サブクエストの数があるから、遊びの種類が増えるわけではなく、同じ面倒な手順を繰り返す回数が増えているだけだ。
本編と関係ない短編は邪魔なだけ
サブクエストには、個別のストーリーが作り込まれているものもある。都市伝説めいた事件とデジモンを結び付ける着想には、面白いものもあった。
ただ、それらの多くは本編を補強する話ではなく、メインストーリーの進行と絡む必要も感じられない。
思い付いた短編を、遊びにくいゲームシステムの上で眺めているようだった。
筆者は、サブクエストには本編を別の角度から見せたり、本編で語り切れない人物や世界を掘り下げたりしてほしいと思っているので、「とってつけたようなサブクエストのストーリー」は蛇足に感じた。
戦闘:進化・退化を促す育成と、相性維持を要求する戦闘が噛み合わない
難易度ノーマルなら、そこまで考えたりレベリングしたりしなくても進められるので、戦闘システムに強い文句は出ないと思う。
しかし、筆者が遊んだハードでは、戦闘システムを把握しないとゲームを進められないので、そのシステムの面倒くささをたっぷりと味わうことになった。
本作の戦闘では、ワクチン・ウィルス・データの三すくみを中心とする種族相性に加えて、技と技を受けるデジモンの属性相性まで考える必要がある。
筆者は『ペルソナ5』を楽しんだので、弱点を突く戦闘そのものが嫌いなわけではないが、本作で面倒だったのは、「相性への対応が、育成の進め方とぶつかること」だった。
進化させるとパーティーの相性バランスが崩れる
本作では、進化と退化で次々に別のデジモンへ姿を変えながら、レベル上限を伸ばしたり、技を継承したりする。
ところが、その過程でパーティーがワクチン種ばかりになるなど、種族のバランスが崩れると、一気に戦闘が面倒になる。
育成を進めるためには姿を変えたいが、それで戦闘が逆に苦しくなっては意味がない。
これによって進化先を選ぶ楽しさより、今の編成を壊さないように調整する手間の方が重たく感じてしまう。
ザコ戦なら逃げればいいが、ボスに対して相性が悪ければ、そこまで育ててきた編成を見直し、別の戦力を育て直すことになる。
筆者にはこれが、戦い方の工夫というより、先へ進むために育成作業へ戻される感覚だった。
相性がダルいので固定・割合・貫通ダメージ系に頼る
種族と属性の相性を考慮するのが面倒くさすぎるので、それを無視できる、固定ダメージや割合ダメージ、貫通技を持つデジモンに頼るようになった。
序盤からテイルモン系の固定ダメージ、デジタマモンの割合ダメージが強く、終盤も割合で削って貫通でとどめを刺す戦い方が多かった。
貫通は相性そのものを無視する効果ではないが、通常技とはダメージの通り方が違うため、攻撃役を選ぶ基準になっていた。
苦労して作ったインペリアルドラモンPMでも、「オメガブレード」がデータ種に対してカスみたいなダメージしか出なかったときには絶望した。
育成を通じて、いろいろなデジモンや技を組み合わせるより、結局は強い固有技を持つデジモンを用意した方が手っ取り早く攻略できる。
育成の幅があるように見えても、実は強いデジモンは決まっているので攻略で頼るものは偏っていった。
状態異常は、独自の名前より説明を分かりやすくしてほしい
「ドット化」や「パニック」は、何が起きて、何ができなくなるのか、すぐには分からなかった。
状態異常で行動を制限するという仕組み自体は、ほかのRPGにもあるが、独自の名前や表現にしたことで、効果を調べるひと手間が増える。
独自の味付けをするなら、せめて戦闘中に必要な情報も分かりやすくしてほしい。
見慣れた仕組みを分かりにくく言い換えられても、遊ぶ側の面白さは増えない。
育成:自由に育てるより、強い固有技を持つデジモンを作るゲーム
進化・退化で能力が際限なく積み重なるわけではない
筆者は当初、進化・退化でレベルが1に戻る代わりに、育てた能力が次の姿へ積み重なっていく仕組みを想像していた。(DQMで言うところの「+値」みたいな感じ)
しかし実際には、デジモンの種類とレベルに応じた基礎ステータスは決まっており、前の姿で伸ばした数値がそのまま加算されるわけではない。そして基礎ステータスはゲーム内の「図鑑」で確認できる。
進化・退化は、技の継承、才能やレベル上限の引き上げなどのために行う。
ファームの特訓では能力を上乗せできるが、追加強化には全能力で共有する最大150ポイント上限がある。
つまり、このゲームの育成は、気に入ったデジモンを育てた分だけ自由に強くするというより、目標のデジモンと技を決め、条件を満たしていく、という仕様である。
個性よりも、一部の固有技の強さが目立つ
このゲームにはたくさんの種類のデジモンが登場するが、デジモンごとの戦い方にはそれほど豊かな個性は感じなかった。
というのも、固有技やサポートスキルは属性を変えただけの似たようなモノが多いし、ステータスもカスタム次第で大体似たような形になるからだ。
一方で、「一部の固有技」は明らかに頼りになる。
すると、攻略用としては、それを持たないデジモンをわざわざ育てる理由がなくなってしまう。
唯一無二なのはマスティモンの固有技で、これは相手が誰でも、何体でも、関係なく削るのでマジで強い。
回復や補助の継承技は役立つが、攻撃面では、育成で覚えさせた技よりも、最終的にどの固有技を持つ姿になるかの方が重要だった。
種類が多くても、使いたくなる理由が同じだけあるわけではない。好きなデジモンを育てて使いたいゲームで、この差は残念だった。
ファームは、何を変えると何が起こるのか分かりにくい
ファームの仕様も分かりにくい。
特訓でどの能力にどれだけ効果があるのか、調査や開発では、どの要素が結果に影響するのか。
操作する画面から、知りたいことを読み取りにくいし、ゲーム内ヘルプもその場で場で見れない。
アイテムを与えるだけなのに、ファームへの移動が必要
ファーム内でしか使えないアイテムを手持ちのデジモンに与えるには、いったんファームへ移し、直接与えて、また手持ちに戻す必要がある。
ただアイテムを使いたいだけなのに、なぜここまで操作しなければならないのか。
対象のデジモンとアイテムをメニューで選べれば済むだけなのに、なんでこんなに不便にしてるのか、理解に苦しむ。
ストーリー:設定の理屈付けは面白いが、読ませ方と後半の展開に不満が残った
※ここからは、本編後半の展開に触れる。
現実世界とデジモンをつなぐ説明は面白かった
現実世界、デジタルワールド、電脳空間「EDEN」、デジタルデバイス。それぞれの関係に作中なりの説明があり、現実の怪現象が実はデジモンの仕業だった、という話には興味を持てた。
ただし、設定を理解する面白さと、登場人物の掛け合いや物語そのものの面白さは別だ。説明や理屈が多くても、それだけで話が面白くなるわけではない。
最後まで見た印象は、よくある頭でっかちなライトノベルだった。
テキスト主体なのに、読むための機能が足りない
立ち絵とテキストで物語を進める場面が多いのに、早送り、自動送り、前の文章へ戻る機能、会話ログといった、読み進めるための機能がない。
先へ進めたければボタンを連打することになるが、それで文章を見逃したら読み返せない。読ませるゲームなのに、読むための操作が不便である。
会話には次の行き先も含まれるため、見逃すと後の進行でも困る。目的をメニューで確認できない不便さと合わせて、余計な手間を増やしている。
後半は巨大怪獣を殴って止める話になり、ついていけなかった
序盤は、現実の怪現象とデジモンをつなぐ、こぢんまりした事件を追う面白さがあった。
ところが後半は、デジモンがゴジラのような巨大怪獣になって都市を破壊し、それを止める話になっていく。
そうなると、序盤に気になっていた細かな事件や理屈がどうでもよくなる。
「細けぇことはいいから、目の前の敵をぶん殴れ」という話になってしまい、筆者にはリアリティラインが崩れたように感じられた。
現実社会の中にデジモンがどう入り込むのか、という説明を面白がっていたのに、途中からは怪獣が暴れる状況をそのまま受け入れなければならない。その変化についていけなかった。
友情で進化するなら、友情が深まる過程を見せてほしい
人間との友情や絆によってデジモンが進化する演出も、薄っぺらく感じた。
「友情が深まった結果として進化する場面」は出てくる。しかし、そこまでに友情を深めていく様子が、肝心なところで描かれていない。
『デジモンアドベンチャー』では、一緒に旅をし、ぶつかり、助け合う過程があって、その積み重ねを進化として受け取れた。
本作では、関係の積み重ねより、進化する見せ場だけが来る。というか、そのデジモンとの友情なんて関係なくて、人間個人の悩み解決だったりする。
友情で進化すると言われても、その友情をこちらが実感していないので、ご都合主義の演出にしか見えなかった。
実績:腕前や工夫よりも、手間を要求するものが多い
メダル集めは、一回ずつガチャを回す操作まで面倒
実績の解除条件にも、時間がかかるばかりの面倒くさいだけものが多い。
ゲームの腕前や工夫で突破するというより、とにかく時間と手間をかけるものが目立つ。
特にメダル集めがそう。ガチャで集めるものが多いのに、一回ずつ手動で選択肢を選んで回す必要がある。
何度も回すことを前提にしているなら、まとめて引けるようにしてほしい。同じ選択肢を何度も選ぶことに、攻略の面白さはない。このクソ仕様のせいで欲しいメダルが出るまで、操作の回数だけが増えていく。
収集する楽しさを用意するなら、せめて収集のための反復操作は快適にしてほしかった。
ハードでクリアしたことを実績にしてほしかった
難易度は途中で変更できるが、筆者としては「ハードで通して本編をクリアする」といった実績が欲しかった。
難しい戦闘を乗り越えるために育成や編成を考えても、それを達成したことが実績として残らない。
一方で、収集や反復には大量の手間を要求される。
筆者がやり込みとして評価してほしいのは、同じ操作を何度繰り返したかより、どの条件で難しい課題を突破したかである。
現状では、ハードを選ぶ意味はほぼ自己満足にとどまる。
さらに、その戦闘自体にも不満が多かったので、苦労して遊んだことへの納得感が薄かった。
クリアして残ったのは、面白さよりも「なぜこんなに面倒なのか」だった
本作への不満は、一つの悪い仕様に集中しているわけではない。
目的を確認するために移動し、見通しの悪いマップで人を探し、一件ずつしか受けられない依頼のために何度も往復する。
育成では姿を変えるたびに相性のバランスを気にして、戦闘では強い固有技に頼る。実績を狙えば、今度はガチャの選択肢を延々と押すことになる。
どこを触っても、小さな面倒くささがある。それが重なるので、最後まで遊びにくかった。
ちなみに、国内オリジナル版は2015年発売で、筆者が遊んだのは2019年発売のSteam版である。古いゲームだからというだけでは、この不便さには納得できない。
目的の確認、用事を済ませた後の帰還、会話の読み返し、反復操作の省略など、すでにこの時代のゲームはとっくに解決させているレベルの問題である。
ここまで重なると、正直、このメーカーはゲームを作るのが下手だと思った。
少なくとも本作には、プレイヤーが繰り返し何を操作するのか、その時間をどう楽しませるのか、という部分への配慮が全然足りない。
デジモンを題材にした世界観には興味を持てたが、それだけで、ゲーム部分の出来まで良いとは評価できない。
本編をクリアしても、筆者には世間が評価するような良作とは思えなかった。





























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