『DEATH STRANDING』感想メモ

ネタバレあるよ!

 この記事はゲームのネタバレを含みます。ご注意ください。

プレイ状況

 2023年5月1日からプレイ開始。

LUCKYSEAFOOD's Death Stranding Trophies
1 Platinum • 1 Gold • 2 Silver • 59 Bronze

 2023年5月18日時点で本編クリア済み。

 たっぷり寄り道したので本編クリアまで約72時間かかった。

設定がとにかく素敵

触れたものの時間を奪う「時雨」

 この世界で降る雨は「時雨」と呼ばれ、それに触れたものの「時間」を急速に奪う。

 もし人間が「時雨」に当たってしまうと、触れた部分が急速に老化してしまい、死んでしまう。

 なので、人間は気軽に外に出ることはできず、「街」や「シェルター」等の拠点にこもって生活をしている。

 外を出歩いているのは、主人公と同じく命懸けで荷物を配送する「配達屋」と拠点で生活すことができない「ならず者」だけである。

 「時雨」が雪として降っても、雨の状態と同じ効果があるらしい。

 なので雪が降っても、携行している荷物や装備は急速に劣化していく。

 しかし、雨の場合はフードを使って顔に当たることを防いでいるが、雪の場合は顔につけてしまっている。これはいいんだろうか??

永遠に使える装備はほとんどない

 「時雨」のせいで、モノが急速に劣化するので、乗り物や装備品などは一定期間使用すると、経年劣化で使えなくなる。

 壊れる前に拠点に立ち寄ってリペアすることはできるが、そういった手間をかけずに永遠に使える装備はほとんどない。

 例外として、ソナー、BB、バックパックの一部の装飾品は経年劣化することはない。

戦闘には常に制約がある

 フィールドには、死者の世界に引き摺り込もうとしてくる「幽霊」と、荷物や命を狙って襲ってくる「ならず者」、さらにストーリーの黒幕を担う「ボス敵」がいる。

 これらの「敵」に対抗するための武器は豊富に用意されている。

 なので、ド派手に攻めたり、隠密行動で静かに攻めたりと、プレイヤーは好きな戦い方を選ぶことができる。

 しかし、圧倒的な火力を用意してただ敵を蹴散らすという単純なプレイはできないように、戦闘にはさまざまな制約がある。

身につけられる装備に限界がある

 武器ばかりを身につけていては、肝心の配送ができないし、身に着ける道具が多くなるほど、重くて動きが遅く、不安定になる。

 動きが鈍くては満足に敵と戦えない。

 なので、敵が出現するルートを通り、かつ、敵と戦うことを選ぶ場合は、事前に「どうやって戦うか」ということを考えて、最少の装備を持っていくのが望ましい。

「対消滅」が起きるので人は殺せない

 人間を殺害し、その死体を放置してしまうと、幽霊になる「ネクローシス」を起こし、果ては「対消滅」(ヴォイドアウト)を引き起こす。

 「対消滅」が起きると一定期間、その周辺が巨大なクレーターとなり、通行できなくなる。

 また、そのエリアに建てた建築物も一緒に消滅する。

 人間を殺害した場合は死体を「死体処理場」まで運んで焼却する必要があるが、これが面倒臭い。

 しかも「ミュール」や「テロリスト」といった邪魔な人間を殺しても、その数は減らず、拠点には常に一定の人数がいるので、「皆殺しにしてからの皆焼却」をしてもその場所は安全に通行できるようにはならない。

 なので、人間は殺すことができないのである。

 こういう力技で無理やりなんとかできないようになっている仕組みは素敵。

「見えない敵」との戦闘は制限時間付き

 配送の邪魔をする敵は人間だけではない。

 あの世と繋がっているこの世界では、あの世から幽霊(BT)が現れ、人間をあの世に引き摺り込もうとしてくる。

 これに対抗するためには、サム(主人公)の体液を使った武器で戦う必要があるが、それらの武器があるだけでは満足に戦えない。

 攻撃目標である幽霊を視認するためには、体に括り付けてある赤ちゃん(BB)を使う必要がある。

 この赤ちゃんは長時間使い続けると、ストレスが溜まり、使い物にならなくなる。

 溜まったストレスは、コントローラーをゆっくり上下させる手動にて解消させることができるが、ボス戦など込み入った状況ではこれができないことがある。

 なので幽霊との戦闘はなるべく早くに片付ける必要がある。

 対人間との戦闘とは、違った武器、違った立ち回りを要求されるので、戦闘に飽きにくい。

移動にも常に制約がある

 持ち物は、「配達依頼されている荷物」、「武器」、「フィールドに建築物を立てる資材」などさまざまなものがある。

 乗り物と合わせても、運びたい荷物を一度に全て運ぶことは難しい。

 しかも、荷物は持てば持つほど動きが遅くなるので、快適に移動したければ適切な量の荷物しか持っていけないことになる。

 移動するたびに、「どこに、何を、どれくらい持っていくか」を考える必要があるので、毎回新鮮な気持ちでフィールドを移動できる。

「いいね」で強くなる

 この世界は政府が崩壊したアメリカが舞台である。

 米ドルの発行元である政府が崩壊しているので、当然通貨はない。

 なので、配送の見返りは「いいね」という評価だけである。(たまにおまけでアイテムをくれることもある。

 しかし、この「いいね」を集めると、サムを支援してくる人が増え、かつ、より多くの支援をしてくれるようになる。

 支援してくれる人が各地に増えると、どこに行っても高品質なサービスが受けられるようになる。

 より多く支援してくるようになると、アイテムをくれたり、施設を優先的に利用できるようにしてくれる。

 これは「いいね」が通貨の代わりをしていると考えてもいい。

 さらにサムは「いいね」をもらうと肉体も強くなる。

 「いいね」をもらうことで、よりたくさんの荷物を運べるようになったり、気絶しにくくなったり、長く息を止められるようになったりと、戦闘や配送がより効率良くできるようになる。

 「いいね」ってそんな効果もあるのか。。

見えないけど一緒にプレイしている「仲間」がいる

 このゲームは、他のプレイヤーと間接的に協力することができる。

 自分の世界に建てた建築物は、誰かの世界にも出現する。

 誰かの世界の看板は、こちらの世界でも見ることができる。

 自分の世界で落としてしまった荷物を、誰かの世界で他のプレイヤーが代わりに拾ってきてくれたりする。

 MMORPGのようにリアルタイムで同期的な協力関係ではないけれども、だからこそ他のプレイヤーの行動に想いを馳せることができる。

 「どういう意図でこの建物を建てたんだろう」とか、

 「ここに休憩所を作ったら他の人も喜ぶかも!」とか、

 「この先に他のプレイヤーが立てた『敵出現注意』の看板があるから、戦闘で荷物を落としている人が多いかも。荷物に余裕を持たせておこうか。」とか。

 言葉で確かめ合えないからこそ、目の前の情報から想像する楽しさがある。

プレイヤーから「いいね」をもらう難しさともらえた時の嬉しさ

 他のプレイヤーと共有している建物は全てが誰かの役に立っているわけではない。

 「この建物があったおかげでゲームオーバーにならずに済んだ!ありがとう!!」と言いたくなるものもあれば、「これ何に使うの?というか使えなくない?むしろ邪魔。。」とガッカリするようなものもある。

 何が役立つ建物で、何が不要な建物かは、建物につけられた「いいね」の数を見ればわかる。

 大体自分がよく使っている建物には「いいね」がたくさんついていて、1回も使ったことのない建物にはほとんど「いいね」がついていない。

どことも繋がってないジップラインはよくある。使えないんだから片付ければいいのに。。

 現実世界のSNSなら、いろんな思惑があって「いいね」と思っているわけではないけど「いいね」する、みたいなことがあるが、このゲームの世界ではそんなことをするメリットはないので、「いいね」の数が「良さ」を示していると考えていい。

 それに建物は「時雨」の影響でプレイヤーが直々にメンテナンスをしないと、朽ち果ててフィールドから消えてしまう仕様となっているので、誰も「いいね」をせずに使われない建物は、そのうち無くなるようになっている。これは素敵な仕様である。

 ただし、ゲームの仕様を悪用して、「いいね」を稼ぐ看板もあるので注意。(まぁ看板なんで有害とはいえないので気にしてないが)

仕様上、看板はその上を通行すると自動で「いいね」をしてしまう。。

少しずつ便利になっていく配送

 人が活動しにくくなり、荒廃した世界のインフラを少しずつ立て直すことができる。

 配送を通して「いいね」をもらって、人から素材をもらい、その素材を使って道路や橋などのインフラを作っていく。

 インフラが整うと、これまで進めなかった大きな川や岩石地帯を跨ぐ道路や橋ができ、これを車やバイクで通ることができるようになる。

 乗り物で拠点間を行き来できるようになれば、さらに多くの荷物を運ぶことができ、さらに「いいね」をもらって成長することができる。

 こうやって少しずつサムも世界も強くなっていくことに、配送のやりがいを感じる。

配送ごとにドラマを作れる

調子に乗ってたくさん荷物を引き受けるも、乗り物を失い、絶望する。

 配送依頼は自由に受けることができる。

 少しずつ依頼を受けて確実に配送するのもいいし、たくさんの依頼を同時に受けて少ない移動で効率良く荷物を配送するのもいい。

 また、どういうルートを通って配送してもいい。

 危険なショートカットルートを選んでもいいし、安全に回り道をするのもいい。

 とにかく自由である。

 自分のやる気に合わせて配送の難易度をコントロールできるのは素敵。

世界観とストーリーは難解

 「時雨」をはじめとした複雑な設定が多数あるこのゲームのストーリーは、その複雑な設定の上に展開されるのでさらに複雑である。(やってること自体は単純なんだが)

 ストーリーをきちんと理解して味わいたいなら、ゲーム内の「メール」や「ドキュメント」を読んで設定を理解する必要がある。

 正直、筆者は設定を「なんとなく理解している程度」でも、雰囲気で楽しめているのであまり気にならないが、昨今のテレビをはじめとした「丁寧に全部説明するコンテンツ」に慣れ親しんだプレイヤーはこれを不快に思うかもしれない。

やりたいことをやりたいだけできる

 メインストーリーは、「一刻を争う緊急事態の連続」だが、プレイヤーはそれに合わせる必要はない。

 他のオープンワールドゲームと同じく、いつ、どこから、どれくらいクエストを進めても問題ない。

 筆者は、「〜に急げ!」と言われているストーリータスクを抱えながらも、全ての拠点の信頼度を最高まで上げた後、道路や橋を自分の満足がいくまで建築してから、ストーリータスクに取り組んでいる。

「いいね」=「ありがとう」な扱い

 このゲームの世界は、「いいね」を贈り合う素敵な世界だが、SNSをはじめとする現実世界の「いいね」とは性質がやや違うように思った。

 このゲームの世界では、「いいね」は「ありがとう」の意味合いで使われるのに対して、現実世界の「いいね」は必ずしも「ありがとう」ではないし、意味をたくさん持ちすぎている。

 例えば、現実世界の「いいね」では、自分のアカウントの宣伝のために「いいね」と思っていなくても「いいね」を贈ったり、「いいね」とは思ってないけど、ブックマーク的な意味合いでとりあえず「いいね」をつけておく、などの手法がある。

 なので、このゲームの世界では「いいね」をもらうことは嬉しいことであるが、現実世界ではもらった「いいね」の意味を確認してはじめて喜ぶことができる。

 現実世界の「いいね」もシンプルだったらよかったのに。

 

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