妻がエレキギターを始めるので楽器屋さんを巡ってみた
生粋のステイホーム気質の筆者と結婚してしまったアウトドア大好きっ子の妻。
お互いに趣味は合わないので、「各々が好き勝手に生きるスタイル」で我ら家族は幸せに生きている。と、思っていた。
しかし、どうやら妻は「一緒に遊びたい」らしい。
とはいえ、筆者はこの家からアウトドアする気はほぼないし、妻もステイホームしていると大型犬並に不調が出てくる。これは困った。
妻はアウトドアの一環でライブやフェスによく行っていたので、バンドサウンドの音楽を聴くことは好きである。
さらに、「できるならやってみたい」との願望もあったようなので、「エレキギターを手に入れて練習をして、ゆくゆくはバンドでも組んで遊ばない?」と提案してみた。
バンドなら練習やライブで外には出るし、お祭り好きな妻はライブのようなお祭りには金を払っても参加したいほど好みである。
「いいかも!」と妻が言ってくれたので、早速エレキギターを買いに行ってみた。
とはいえ、実際のところ、華やかに見えるバンドはライブ以外は家で黙々と地味にコツコツと練習しているものである。
華やかと地味の割合は、おそらく2:8くらいである。
まぁそれは妻がおいおい知っていくこと。始める時点は知らなくていいことである。知ったら始めないだろうし!
新品で5万円台のエレキギターを弾いてみるとその作りの荒さが目立った
全くのギター初心者の妻には、入門用モデルである5万円台くらいのギターがいいと思っていた。
かくいう筆者も初めて手にしたエレキギターは5万円台だったので、5万円台のギターなら弾く分には問題ないし、初心者には十分にいい音がすると思っていた。
そこで『Aria Pro II』と『GRASSROOTS』の5万円台のギターを中心に試奏してみた。
型番は覚えていないが、5万円台の上記の画像のギターを筆頭に、同じ価格帯のギターをいろいろ弾いてみたところ、どれも「ひどいな」と思った。
そもそも弦高が「アコギか?」と思うほど高いし、弦も錆びていて弾きにくかった。まぁこれは弦高調整と弦交換をすればいい話だが、手に取った時の印象は悪かった。
さらに作りが安っぽいと思った。指板はカサカサに乾燥しているし、フレットが指板しっかりに食い込んでおらず少し浮いている個体もあった。(フレットの根元のギザギザの部分が見えた)
また全ての1フレットずつ、全ての弦で音を出してみたところ、弦を揺らしてないのに音が揺れている個体もあった。これでは使い物にならない。
ドライブサウンドに関しては「それっぽい音」は出ていたが、こういう作りの荒いギターではそもそも「触りたくない」と思ってしまうし、ギターの作りの悪さが故に狙った音が出ないのでは、練習のしがいもない。
こういうギターは初心者が手を出しやすい価格帯ではあれど、初心者がギターを続けるのを難しくしてしまう。
これはこれで害悪だなぁと思う。
筆者がエレキギターを始めた2007年時点では新品で5万円も出せば作りのいいギターが買えていたと思う
筆者が初めてギターを手にしたのは2007年の夏である。
型番は覚えていないが、以下のような『EDWARDS』のレスポールタイプでダンカンの2ハム仕様のゴールドカラーのものを買った。(というか多分コレ。ソフトケースは全く同じ)
当時はこのギターを5万5千円くらいで手に入れたことを覚えている。
このギターの弾き心地はかなり良かったし、音もレスポールっぽい音がちゃんと出ていた。これは6年くらい使った後に、就職を機に手放してしまっているが、今は少し後悔しているくらい良かったギター。
ちなみに購入した具体的な日付は覚えていないが、2007年では1ドル117円くらいだった模様。
円安をはじめ、原材料費や輸送コストなど、いろんな値段が上がっている昨今では、もはや5万円台でまともなギターは手に入らないんだろうと思った。
10万円以上出すと作りがまともなギターを選ぶことができた
上記のギターを触ってみて、「流石に5万円台のギターは国産だろうと作りが荒くて、正直触りたくもない」と思ってしまったので、10万円以上のギターに注目して試奏してみた。
このクラスのギターからは、「弦高の調整不足で弾きにくい」とか、「弦が錆びててまともに弾けない」とか、「ただ弦を押さえてるだけなのに音が揺れる」とか、「フレットが打ち込み不足で浮いている」ということは全くなかった。
正直、値段に関わらず上記のような「不具合」がないのがまともなギターだと思っていたが、2023年時点ではそうでもないらしい。
印象としては、「2007年当時の3万円台のギター」が「2023年の5万円台のギター」と同じクオリティという感じ。
Three Dotsのテレキャスター
かなり良かった。
作りがしっかりしていて、全く「不具合」はなく、これまでに試奏した5万円台のギターとは天と地ほどの差があった。
「この価格帯からがようやくまともなエレキギターなんだ」と実感した1本。
仕様はフロントがP-90タイプでリアがシングルの組み合わせがだいぶ好みだった。
フロントは太くて温かみのあるサウンド、リアはジャキジャキのテレキャスターらしいサウンドで、いいとこ取りをしたような素晴らしいギターでした。
正直これで決めてもいいように思ったが、妻は「色がドンピシャの好みではないのと、まだ1店舗目なので他にも見たい」とのことで、別の店に行くことにした。
Paul Reed Smith SE
あの高級ギターPRSの入門用モデル。SEとは「Student Edition(学生仕様)」らしい。
正直、PRSのブランド料が価格の大半を占めているような荒い作りだった。
ネックのツヤ塗装加工が分厚く、手が滑りにくいので、フィンガリングがやりづらい。
ドライブサウンドも低音域が抜け落ちたようなスカっとしたハムバッカーのサウンドで、「高級感のある荒い歪み」は全く出てない。
ギターの作り、ドライブサウンド共に「買おう!」とは思わないモデルだった。
Paul Reed Smith SE ストラトタイプ
写真を撮るのを忘れたが、こんな感じのギター。
PRSの販売コーナーにこのタイプのギターを持った「ジョン・メイヤー」のポスターがあったが、多分彼の持っているストラトタイプとは全くの別物。(なはず!)
正直これも酷かった。作りの荒さは上記のPRSのSEと同じ。
特にペグとセレクターの部分の樹脂がだいぶ安っぽくて好みじゃなかった。音は「あんまり特徴のないストラト」って感じ。
価格はこれも11万円前後だった。
SR Series SR-22 (Crimson)
センターのシングルとリアのハムの音がすごく良かったギター。
クリーンでもドライブでも音の粒が大きくて、各弦の音が個別にくっきり聞こえる感じで、音に迫力を感じた。
正直、こういう音のギターは初めて弾いたので、びっくりした。
作りもかなりまともで、正直PRSのSEモデルが「質の悪いおもちゃ」に見えるほどしっかりした作りだった。
やはり『Three Dots』をはじめ、まともな国産ギターはブランド料とか輸送費とか、余計な費用がかかっていないので、コストをギターの作りにかけられるからか、作りがしっかりしているものが多い印象だった。
このギターは店頭価格は15万円弱だったので、購入の射程圏内だったが、妻としては音がくっきりしすぎていて気に入らなかった模様。
「ガンガン前に出てくるはっきりした音」よりも、「コード弾きで自然に背景に溶け込める音」の方が好みだったらしい。それはなんかわかる気がした。
20万円台からはずっと触っていたくなる、触っていて気持ちいいギターが出てくる
10万円台のギターを弾いてきて、決め手に欠けるまま、彷徨っていると「新品中古状態のPRSのSE」が7万5千円で売っていた。「なんだかんだでこの値段ならPRSのSEがいいかも」と思いながらも、ギターを見て回っていると、珍しいカラーリングのギターがあり、妻がそれを気に入った。
IKEBE ORIGINAL ORDER MMG1-LTD Flame Tochi Top/NJ (PINK-GRD)
お値段分の価値はあった素晴らしい高級ギター。
「何色かパッとわからない感じのピンク」で、妻がなぜこれを気に入ったのかよくわからない見た目だった。
しかも妻はムスタングシェイプが好みだったわけではなく、この色がムスタングタイプにしかなかったので、これが気に入ったらしい。
ロングスケールのストラトの弦を押さえても問題なかった妻が、あえてムスタングを選ぶ必要はなさそうだと思ったが、「どうせ買わないよなぁ」と思いながらも試奏した。
ギターの作りは全くのまともで、抱えて、押さえて、弾いてと、どの部分にも作りの荒さはなく、全くストレスを感じなかった。むしろ、「ずっと持ってたくなるような気持ちの良さ」さえ感じた。さすが高級ライン。
なんとなくfenderの高級モデルのような音色だったが、momoseのコレはなんとなく音が太いような気がした。正直、fenderの乾いたシャープな音よりもこちらの方が好みだった。
筆者が『American Ultra Stratocaster』を手に入れる前だったら、momoseのギターを買っていたと思うクオリティだった。
結局買ったのは。。
この日は、お茶の水から秋葉原、渋谷といろんな楽器屋さんを巡った。
そして最後に妻が選んだのは。。
長くなったので次回の記事で書くことにする!
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