2026年8月、筆者は妻の協会けんぽの扶養から、同年1月1日まで遡って外されることになった。
その一方で、8月以降の収入見込みがなくなったため、8月1日付で再び扶養へ加入している。
結果として、2026年1月から7月までの国民健康保険と国民年金を遡って支払うことになった。
この記事では、会社とのメールと年金事務所から届いた回答を基に、確認できた事実と、なお残る疑問を整理する。
現在のステータス(2026年9月8日)
- 宮崎年金事務所から、2026年1月から7月まで国民年金第1号被保険者への切替が必要と回答された。
- 2026年8月1日付で、健康保険の被扶養者および国民年金第3号被保険者へ戻る届出が提出されている。
- 1月から7月までの国民健康保険料と国民年金保険料を遡って支払う必要がある。
- 宮崎年金事務所へ契約実態を記載した照会書を送ったが、回答では収入見込みに関する具体的な争点には触れられなかった。
審査請求という選択肢はあるものの、会社、社労士、年金事務所をまたいで事情を説明し直す負担と、決定が覆る可能性を考え、現時点では保険料を支払う方向で考えている。
契約と収入の状況
筆者は、2026年1月から7月まで2件の業務委託契約を続けており、合計で毎月約25万円、7か月で約175万円の売上があった。
ただし、どちらも月額固定報酬ではなく、次のものは保証されていなかった。
- 毎月の最低稼働時間
- 毎月の最低報酬
- 翌月以降の発注量
- 具体的な業務の継続
業務内容としては、1月にはWebシステムのモック作成、3月にはそのモックへの機能追加について指示があり、4月半ば頃から具体的な業務指示や連絡がほとんどなくなった。
筆者は、追加の連絡があれば対応できる状態で待機することを伝え、その時間を勤怠へ計上した。
結果として7月まで承認と支払いを受けたが、そもそもそれが「契約書どおりの実稼働として承認される保証」も、「翌月以降も同じ扱いが続く保証」もなかった。
7月中旬には2件とも実質的に停止し、8月初旬に一方の取引先が破産。もう一方の案件も終了した。8月の売上は約1万5,000円で、その後の具体的な仕事と収入見込みはなくなった。
一方で、結果だけを見れば、1月から7月まで7か月連続で毎月約25万円が支払われているので、この実績が「恒常的な収入」と判断された可能性は高い。
会社、社労士、年金事務所とのやり取り
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2025年7月1日
年金記録上はこの日から国民年金第3号被保険者となっていた。 -
2026年1月~3月
2件の業務委託を継続し、合計で毎月約25万円の売上が発生した。 -
2026年4月半ば以降
具体的な業務指示がほぼなくなる。待機時間を勤怠へ計上し、事後的な承認と支払いを受けた。 -
2026年5月16日
東京都江戸川区から宮崎市へ転居した。 -
2026年7月中旬
2件の案件がいずれも実質的に停止した。結果として、1月から7月までの売上は合計約175万円となった。 -
2026年8月3日頃
一方の取引先が破産し、もう一方の案件も終了。8月の売上は約1万5,000円で、それ以降の収入見込みはゼロになった。 -
2026年8月4日
妻の会社の担当者へ、業務委託収入に伴う扶養資格の継続可否と必要書類を相談した。 -
2026年8月5日
妻の会社へ、1月から7月まで月約25万円の売上があったことに加え、固定報酬ではないこと、最低稼働時間と最低報酬の保証がないこと、4月以降は発注者からの連絡がなく、報酬発生を予測できなかったことをメールで説明した。担当者は「内容精査して回答する」と返信したうえで、「1月から7月の期間、毎月25万円の収入があったという理解でよいか」と確認した。その事実を認めると、担当者は「8月以降に収入見込みがなければ継続可能なはずだが、1月から7月は遡及して削除が必要かもしれない」との認識を示し、社労士へ確認すると回答した。
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2026年8月17日
会社から、社労士の見解として次の回答が届いた。- 8月以降12月まで収入見込みがなければ、扶養認定を申請し、認可されれば継続可能
- 1月から7月には収入があり、この期間は扶養要件から外れるため、遡及して被扶養者から削除し、国民健康保険への加入が必要
- 一時的な収入増加への対応はあるが、今回の収入は一時的というより恒常的に見えるため難しい
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2026年8月20日
年金事務所が、筆者を2026年1月1日付で被扶養者非該当と決定した。 -
2026年8月25日頃
妻の会社がすでに扶養削除の届出を提出し、決定通知書を受領していたことが分かった。 -
2026年8月28日
年金事務所へ、契約内容と業務状況を記載した照会書を送付した。主な質問は、1月1日まで遡る必要があるのか、各時点の収入見込みは考慮されるのか、健康保険の資格喪失日と第3号被保険者でなくなる日は同じなのか、というものだった。 -
2026年9月1日
年金事務所から文書回答が届いた。回答では、1月1日付の扶養解除届が提出済みであること、1月から第1号被保険者への切替が必要であること、8月1日付の扶養再認定届も提出済みであることが説明された。しかし、最低報酬のない業務委託契約で、各時点にどのように将来収入を見込んだのかという質問への具体的な回答はなかった。
疑問点
なぜ非該当日が1月1日なのか
もっとも大きな疑問は、なぜ被扶養者でなくなった日が2026年1月1日とされたのかである。
実際には1月から7月まで毎月約25万円の売上があったため、1月時点から年収130万円以上が見込まれたと判断した可能性は高い。
しかし、決定通知書には結論だけが記載されており、1月1日とした計算過程や資料は示されていない。
契約の不確実性はどこまで検討されたのか
厚生労働省の通知では、被扶養者の収入について、過去の収入、現在の収入、将来の収入見込みなどから今後1年間の収入を見込むものとされている。
筆者の契約には最低稼働時間も最低報酬もなかった。
一方で、7か月連続で約25万円が支払われている。
したがって、契約の不確実性だけを理由に扶養資格が当然に認められるとはいえず、今回の決定が明らかに誤りだとも断定できない。
知りたかったのは、収入実績だけを年換算したのか、それとも契約条件や4月以降の発注停止に近い状態まで含めて判断したのかである。
年金事務所の回答からは、それを確認できなかった。
一時的な収入増加の取扱いは適用されないのか
厚生労働省は、「想定外の事情によって一時的に収入が増えた場合、直ちに被扶養者認定を取り消さず、資料を照らし合わせて将来収入を総合的に判断すること、一定の場合には原則として遡及取消しをしないこと」を示している。
ただし、この通知は新型コロナウイルス対応を契機に出されたものであり、典型例は昇給や恒久的な勤務時間増加を伴わない一時的な収入増加である。
筆者の場合、収入は7か月連続しており、社労士も「恒常的に見える」と判断している。
したがって、適用されなかったことが直ちに不当とはいえない。
誰がどの情報に基づいて決めたのか
会社へ詳しい事情が届いていたことは確認できた。しかし、次の点は現在も不明である。
- 社労士へ会社のメール全文が共有されたのか
- 日本年金機構へ契約書や事情説明が提出されたのか
- 年金事務所への届出上の年間収入見込額はいくらだったのか
- 1月1日を非該当日としたのは会社、社労士、日本年金機構の誰なのか
また、年金事務所の回答は、提出済みの届出と現在の年金記録を説明するものだった。
したがって、扶養解除の判断過程そのものを再検討した回答ではないように見える。
今回の教訓
今回の手続きでは、制度上の正しさだけでなく、情報が会社、社労士、日本年金機構の間を移動する過程にも大きな不確実性があった。
こちらが詳しく説明したことと、その説明が実際の届出や判断に反映されたことは別問題である。
複雑な事情を会社や年金事務所が自動的にくみ取ってくれるとは限らない。
そのため、今後は収入と契約の記録を自分で残し、会社へ単に「判断してください」と丸投げするのではなく、こちらの認識と確認してほしい点を明示する。
さらに、届出が提出される前に、資格喪失日、年間収入見込額、添付資料を確認するようにしたい。
根拠ソース
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厚生労働省「被扶養者の収入の確認における留意点について」
被扶養者の収入について、過去・現在・将来の収入見込みから今後1年間の収入を判断すること、一時的な収入増加の場合には資料を踏まえて総合判断することなどが示されている。 -
日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
年間収入とは過去の収入額ではなく、被扶養者に該当する時点および認定日以降の年間見込み収入額であると説明されている。 -
日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」
2026年4月以降、一定の場合に労働条件通知書等から年間収入を判定する取扱いが始まった。ただし、給与収入のみであることが前提であり、業務委託による事業収入へそのまま適用される制度ではない。
今回の決定が制度上誤っていると断定できる材料はそろっていない。
一方で、1月1日という資格喪失日がどの資料と判断過程から導かれたのかは、最後まで明確にならなかった。
筆者としては、争いを続けるコストも含めて検討し、今後は同じ問題を繰り返さないための記録として本件を残しておく。

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