感情にお金を注ぎ込む者の末路が悲しい
モノ余りの現代社会においては、男も女も、若者もおっさんも、金持ちも貧乏人も関係なく、感情に金を払う。
さみしさを紛らわせるため、退屈を紛らわせるため、盛り上がって興奮したいためなど、自分の感情を満足させるために金を払う理由は様々あると思う。毎日の暮らしは「まぁまぁそれなりOK」だけど、何か物足りない人が多いのだろうか。
「感情に金を払う買い物」は、家電や車などの機能に金を払ったり、将来に得られる利益得られる状態を見込んで自己や金融商品に投資するなど状態に金を払う行為とは違う。
お金を払っても感情は簡単に変わる
実際のところ、「感情に金を払う買い物」で得られるものは「ひとときの幸せな気分」だけであり、それはすぐに雲散霧消してしまう。
想像してみて欲しい。高価な外食屋で飲み食いして、幸せな気分になった帰り道に、路上の犬のフンLサイズを靴にべっとりつけてしまったら、外食で得た幸せな気分などすっかり消え去るだろう。「今日は美味しいものを食べたから、靴が犬のクソまみれだけど、いっか!」とはならないはずである。
結局のところ、人間の感情なんてちょっとのきっかけコロコロ変わってしまうのである。
そんなものに金を払うことは、金を捨てているのとあんまり変わらないと思う。
その接待全てが「商品」にすぎない
結局のところ、「ホスト狂いの女の子」も「頂き女子のパトロン」も巧妙な業者にハンパなく高額な「感情に金を払う買い物」をさせられたにすぎない。
「感情に金を払う買い物」をさせる業者が提供してくる「接待」の全てが真実ではなく、ただの「商品」なのである。それを本気にして業者のサービスに熱中してしまっては、業者の思うツボである。
営利目的の業者は、そういうカモからあるだけのお金や信用を奪い去るだろう。儲けるためにやっているのだから、そうしない理由がない。
それに褒められたことではないし、擁護する気はないが、業者が業務のためにウソをつくのは当たり前である。
もちろん、このウソが法律に触れるなら「詐害」、そうでないなら「リップサービス」や「サービストーク」だったりする。(「詐害」だとしてもお金は返ってこないのが普通なので被害者もアウトになる)
いずれにせよ、「感情に金を払う買い物」をさせたい業者は、あの手この手のウソで客に金を払わせる努力をしてくる。
感情に払うお金には限度がない
さらに「感情に金を払う買い物」の問題は、「いくら買っても満足しないこと」にある。
先ほども言った通り、人間の感情は少しの出来事でコロコロ変わる。
組織で生きる現代社会においては、気分が落ち込むような悲しいイベントもあるし、大声で怒り狂いたくなる理不尽なイベントもある。そして感情を揺さぶる様々なイベントはいつも突然やってくるので完璧に備えることは難しい。
そうやって感情を揺さぶるイベントに強制的に晒されながら生きる人間が、感情が自分好みにならないからと言って、その都度「お金で自分好みの感情にしてもらうサービス」を買っていてはお金がいくらあっても足りない。
さらに「感情に金を払う買い物」でお金を無くせば、それを回収するためにさらにキツい環境に身を置かざるを得なくなり、それがさらにその人を「ネガティブな感情」にさせる。そうなればまた「感情に金を払う買い物」をすることになるだろう。これは抜けられない負のループである。
感情はお金を払わなくても変えられる
人間の感情は、ちょっとのことでコロコロ変わるものである。ならば、別に「感情に金を払う買い物」をしなくても感情を変えることはできる。
では、どうすれば自分の感情を自分好みに変えることができるのか。
これはその人ごとに違うので、これと言った正解は本人以外は分かり得ない、と言うのが答えだ。
ただひとつ言えるのは、「本人が本人の感情と向き合わない限り、自分の感情をコントロールすることはできない」と言うことである。
自分が何に怒り、何に悲しみ、何を好み、何を喜ぶのか。
単純な外からのネガティブな刺激に単純に反応するばかりではなく、「今起きたことの何がイヤだったのか」ということをひとりでじっくり、時間をかけて考えてみることが「本人が本人の感情と向き合う」ことだと筆者は考えている。
筆者はスピリチュアルな分野を推めるわけではないが、「科学的に根拠づけられた瞑想」をすることはそのための方法の一つだと考えている。
参考
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