相手に魅力を感じてもらえなければ、人間関係は消える
筆者の祖父は、筆者にとってはお年玉シーズンにだけ仕方なく会うだけのATMだった。
祖父は自分の話したいことだけを一方的にしゃべるだけのつまらない人で、お年玉がもらえなくなる15歳までずっと「金がもらえないなら、こんなつまらないヤツと時間を過ごす理由はない」と思っていた。
当然、16歳からは祖父に会いに行くことはなかった。
この経験から学んだことは、「相手に魅力を感じてもらえなければ、人間関係は消える」ということである。
筆者が祖父に感じていた魅力は「お金」で、それが消えた瞬間に事実上、祖父と筆者の人間関係は消えたのである。
これは筆者と祖父だけの特別な関係ではなく、今も社会で当たり前のように、作られては消えていく人間関係のメジャーなケースだと思っている。
絆なき人間関係は繋がるメリットがなくなれば消えてなくなる
もちろん、筆者は全ての人間関係が「なんらかのメリットだけでできている脆いもの」だとは考えていない。
そして、脆い人間関係と強い人間関係の違いは「絆の有無」だと考えている。
人間関係に絆があれば、おそらく付き合うメリットがなくても、むしろ付き合うことにデメリットしかなくても、人間関係を切らずに続けてしまう。
一方で、絆なき人間関係はわかりやすいメリットの有無で、すぐに作られて、そしてすぐに消えていく。
「儲からないなら、人間関係もろとも無かったことにしてやめてしまおう。こっちにも理想の生活があるんだから仕方ない。」
とりわけ仕事で発生した人間関係は生産と消滅を、短いスパンで繰り返している。
ビジネスは悪質なものになりやすい
そんなメリットだけで繋がる脆い人間関係を量産する仕事(ビジネス)はその性質上、悪質なものになりやすい。
基本的には、相手がどうなろうと金さえ儲かればいいのがビジネスである。
相手を騙そうが、脅そうが、金が儲かればいい。そして、金が儲からないならやる理由がない。
それがビジネスである。
本来はそんなものを土台に人間関係を作るべきではないが、金に夢中なビジネスマンは、金さえ払えばこちらが気持ちよくなれる人間関係をすぐに提供してくれる。
それをわかって買っていれば損害は少ない。「まぁ所詮はビジネス上の関係だしね。」と割り切れれば無理にお金は使わないし、心の拠り所も別の場所に設定しておける。
しかし、この構造がわからなければ騙されて金をむしり取られて、その上、深い悲しみに突き落とされるだろう。
強くて安心できる人間関係を作るには絆を作るという大変な作業が必要
いつ無くなるかわからない、脆い人間関係はお金さえ払えばいくらでも作れる。
一方で、強くて消そうと思っても消えない強い人間関係は、互いに絆を作らなければ成立しない。
絆を作るにはとにかく時間と労力がかかる。お互いが理解し合えるまで語り合い、その過程で本気の衝突もする。そんなことを長い期間をかけて繰り返す。絆ができた後も繰り返す。
そうやって鍛え抜かれた絆で繋がった人間関係は、ちょっとやそっとのことでは消えない。もちろん金の有無なんて、この人間関係の上ではなんの関係もない。
「ホス・キャバ狂い」も「アイドル沼地マン」も「押し活」も人間関係を金で買う行為
時間と手間をかけて絆を基にした人間関係を作ることを面倒くさがって、お金で人間関係を買う奴らが、どのように損をしようが、どれくらいの悲しみにくれようが、同情の余地はない。
昨今、社会で暴走している「ホス・キャバ狂い」も「アイドル沼地マン」も「押し活」をして、金銭的、精神的に損をしている奴らに筆者は全く同情できないのである。
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