共働き夫婦二人暮らしは同志と「ソーシャルアパートメント」みたいな環境で暮らしたい

夫婦二人暮らしの家庭は人員の替えが効かない

 我が家は30代の子なし会社員夫婦である。

 基本的には共働きで、家事に関しては得意不得意を考慮してほとんどきっちり二等分している。(2024年1月時点では筆者が専業主夫になっているので分担は7:3くらい)

 このスタイルでの家庭運営は、「いつも通りのスケジュール」であれば問題なくこなすことができる。しかし、夫婦のどちらか一方に何か問題が起きた時には、十分に家事ができなくなり生活が荒れてくる。

 忙しくて家事を後回しにして、皿や洗濯物は溜まり、料理も雑になるので買い食いが増え、掃除も『ルンバ』を起動することすらしなくなる。

 我々夫婦は会社員であるので、基本的に「自分のペースで仕事をする」ということはできない。会社の動き次第では激務になる。さらに、肉体も並み程度なので1年に1回くらいは体調を崩すこともある。

 家庭は会社と違って、人手不足に対応するために「増員する」ということはできない。したがって家庭は労働力を失ってしまうと荒れたまま改善することができないのである。

 なので、我々夫婦二人暮らしの家庭はけっこう脆いのである。

かと言って「大家族スタイル」は暮らしにくい

 そんな最少人数で運営している「会社員の夫婦二人暮らし」の脆弱性を発見したところで、今更「大家族」で暮らすことは難しい。

 なぜなら「子供を産まない」と決めた我々が両親と住む「大家族スタイル」になることは、中長期的に損になるからだ。それに短期的に考えても親という「目の上のたんこぶ」がある状態で暮らすのはなかなかにストレスがかかると想像できる。

 しかも、もうすぐ60代後半に差し掛かる我々の両親は、今後は介護が必要になる。

 我々夫婦が、両親と住みながら子供を産んでいれば、夫婦2人+両親2~4人で子育てをして、両親に助けが必要になれば夫婦2人+子供で対応することができる。

 しかし、子供がいないのでは我々夫婦は、両親にとってはただ介護をするだけの待機要員にしかならない。

 しかも、介護期間に突入すると「夫婦二人暮らし」の時と同じリソース不足が発生するし、リソースが不足した時の深刻さは「夫婦二人暮らし」を上回る。ざっくり考えて、「会社員としての労働」+「家事」+「介護」をたったの2人でやらなければならないのである。これは厳しい。

 もし「大家族スタイル」で生きていくにしても、もはや恩恵を受けられるフェーズはとっくに過ぎているのである。

コミュニティ意識のある同志が「ソーシャルアパートメント」の形態で暮らせば安定性が高まる

 上記から、今のような「核家族スタイル」か伝統的な「大家族スタイル」で生きていくという選択肢では問題は解決しない。どちらも危ないのである。

 そこで筆者が現在考えているのは、『コミュニティ意識のある同志が「ソーシャルアパートメント」の形態で助け合って暮らす』ということである。

 「ソーシャルアパートメント」とは、簡単に言えば、「共有部分が割とオープンな50世帯以下くらいが暮らす中規模のマンション」である。

 これは「シェアハウス」とは違い、各世帯は1LDK程度の個室に住んでいてそこで生活の全てを完結でき、共有部分で住人同士の交流が便利にできる。

 こういう場所に、同じような境遇の住人が集まれば、60歳くらいまでは「核家族スタイル」でも助け合って安定して暮らせるんじゃないだろうかと思っている。家事代行とか家庭における雑事みたいなものを気軽に頼み合える関係性を作れれば、少なくとも現状の「夫婦二人暮らしじゃ人員がカツカツになる問題」は解決するはず。

 相手が死ぬまで役務を提供する「介護」とは違い、1~2年くらいの短期的なスパンでの「労働力の貸し借り」くらいなら頼む方も頼まれる方も割と気軽にできる。

 しかも、短期的に「ギブアンドテイクの関係」であれば、生活にプレッシャーをかけられることなく、「気持ちのいい友達」として付き合える気がしている。

40歳になる前にそういう場所の目星をつけたい

 当然、「ソーシャルアパートメント」という住居形態であればどこでもいいわけじゃない。

 むしろ大事なのは「コミュニティ意識のある同志」である。これがいないと筆者にとっては「ソーシャルアパートメント」はただの不便なマンションである。

 個々人が家事などをきちんとこなして「丁寧に生活する習慣」を大事にしている場所でなければ、生活において協力することはできない。

 荒れ放題の生活をしている人間が溜まるだけの場所は、さながら大学のサークル棟のような「不快なカオス」にしかならない。そんなところで快適に生きていけるはずもない。

 自炊程度も満足にできない人間が多いことを考えると、「丁寧に生活する習慣」を大事にしている人などそれほど多くないと見積もった方がいい。であるならば、そういう「レアモノ」を探すにはそれなりに足や頭を使わないといけないということである。

 現時点ではこのような「アヴァロン」を探すための具体的な方法はわかっていないが、いろいろ試すしかないとは思っている。

 しかし、何事も「問題が起きてからでは遅い」ので、問題が起きる前に見つけ出さなければならない。目安は40歳までに目星をつけておくことだと、漠然と考えている。

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